飲湖上初晴後雨

蘇軾の飲湖上初晴後雨、面白そうな詩だが、ネットには解釈が載ってないようなので、少しやってみる。

水光瀲灩晴偏好

水面にさざ波がたってきらきらと光り、晴れはたいへんよろしい。偏は「偏に」と解釈した。 「瀲」「灩」はともにさざ波が立って水がみなぎっているようす。 「灩」はあまりにも特殊な字らしくてウィクショナリーにすら載ってない。 「灩」は「灔」と同じ。音は「瀲」「灩」「灔」ともに「艶(エン)」と同じ。

山色空濛雨亦奇

山や空は霞がかかったように朦朧としていて、雨もまた変わっていて面白い。「濛」はこさめ、きりさめ。もやのようなもの。

欲把西湖比西子

西湖を西子と比べてみると。西子は西施。中国古代四大美女の一人。 題が「飲湖上初晴後雨」なので、西湖のほとりで美女と一緒に酒を飲んだか、或いは酒を飲みながら美女の話などしたのだろう。 初めは晴れていて、やがて雨が降り始めた。それでもなお酒を飲み続ける。

淡粧濃抹總相宜

西湖は薄化粧、一方、西施は厚化粧で、どちらもよろしい。

湖上にうたげせしが初は晴れ後は雨降れり。 ここらに解釈があった。 あれ、他にもたくさんあるな。

七言絶句だが、起句が押韻していない。まあ、許容範囲なのだろう。 「西子」の「西」の平仄があってないが、転句だし、まあ、このくらいは許容範囲なのだろう。 蘇軾ですら守ってない決まりを我々がわざわざ守る必要があろうか。