授業の長さとやり方

最近確信するようになったのだが、 30分か40分なら面白いことをしゃべれるけれど、 90分という講義の時間は長すぎる。 90分間、ずっと、学生の注意を引きつけるような内容をしゃべり続ける、 もしくは教材を提示し続ける、ということは人間技ではない。 しかるに、大学のひとこまというのはそのように設定されているし、 教員らはみなそれに従っている。 しかもやり方がひとそれぞれ全然違うのであまり参考にならない。

たとえば落語の演目はどんなに長くても1時間くらいで、 30分もあると長いほうで、 1時間のやつはたいていぶっ続けてでなく30分くらいに分けてやる。

映画は90分くらいあるが、そもそもかかってるてまひまが違いすぎる。

放送大学だと45分なのだが、 これはまあ小中高校の授業と同じ長さで大して違いない。 また、放送大学の場合一度撮影すると何度も同じものを使い回すわけだから、 準備も撮影も編集も緻密にできているはず(だれかに一発録りだと聞いたことがある)。

なんなんだろうなと思う。 比較的近いのはライブパフォーマンスとかコンサートみたいなものか。 コンサートのDVDなんか見ると、ずっと歌ってる人もいれば、 千春みたいにほとんどしゃべっている人もいる。 さまざまな形態があり得るというのは大学の授業に似ていると言えばいえるかもしれん。

ま、コンサートなら一度きりだから良いとして、 授業は半期15回もやらなきゃならない。 これがまたつらい。 いや、一方的にある分量の知識を学生に詰め込む授業、ならばできるかもしれない。 授業とは本来そうしたものかもしれない。 しかし私の経験上そういう授業には学生はついてこれないし、 もし私なら授業を無視して独学すると思う。 ともかく授業というのはさほど効率的な学習方法ではないと思うのだ。 授業ってなんなのかと思う。 きっかけだけ与えてあとは学生が予習し復習するというのならわかる。 しかしふつう学生は復習も予習もしない。それこそただ受動的に、テレビや映画を見るように見ているだけだ。

実は昔はもっと講義科目をたくさんもっていたのだが、 あまりにつらくてほとんど今は演習科目しかもってない。 でもまた講義科目をもとうかなと思っているのだが、 自分にあったうまいやり方というのをなんとかみつけなくてはならない。