Mod

Modというのはつまりゲームを一から開発するのではなく、 既存のゲームの開発環境を用いて、 その一部を改変して楽しむものだ。 マップだけとかテクスチャだけを差し替えるのであれば大して難しくはない。 最初の敷居は低いと言える。

比較的多く見られるのはキャラクターや武器、或いはマップだけを差し替えるというものであり、 またそれらを拾ってきて適当に組み合わせる、ということだが、 別に難しくはない代わりに、誰でもできるという安易さがあり、 すでに誰かがやっていて Youtube に動画が上がっていたりするから、 大学の卒業制作にはちとなり得ない。

やはりある程度オリジナルなゲームを作らなくては卒業制作にはなり得ない。

ところが、オリジナルなゲームを作ることは不可能ではないとしても、Mod のレベルをはるかに超えている。 ゲームを作るというのはほんとは時間も金も人もかかるものなのである。 それを一人かそこらで金もかけずにやるのは実はものすごく大変だ。

たとえ自分ができてもそれを学生に教えられるか自信が無い。

たとえば、Alyx や Mossman の髪には透過テクスチャが使われている。 しかしほんのささやかなものだ。とさかみたいに付属しているだけで、大勢には関係ない。 Half-Life 2 のキャラクターはどれも髪の毛がみしっと小さい。 長い髪はゲームで動き回るとき邪魔になる。 破綻しやすい。 Valve は別に髪の毛にはこだわらなかった。 生足にも生腕にもスカートにもこだわらなかった。 もっと全然違うところにこだわった。 だから Source SDK もそんなふうにできている。

しかし、普通の日本人は長い髪の毛とかスカートが好きだ。 Source SDK でもできないことはないかもしれないが、非常にめんどうである。 そこを無理にやってしまうのは、可能かもしれないが、 大学の卒業制作には向いてないのではないか。

ある種、キャッチーで、あまり手間をかけずに、アイディアだけで勝負するようなものが、向いているのではないか。 何人もスタッフがいて数年がかりで仕上げるような作品は、 すばらしいと思うが、 商業作品とそのあたりで対抗するのはどうなのかと思う。