3DCG雑感

3DCGやゲームのソフトは毎年アップグレードするんでサブスクリプションかなんかの契約にして、随時オンラインでアップデートしたりするわけだが、アップデートしているうちに昔のPCでは起動しなかったりスペックが不足したりする。 だいたい3DCGのゲームというものはリリースの時の一番高いスペックのPCに合わせてチューニングされており、それはおそらく数年後にやっと一般的となると思われるスペックであって、おおむねフライング気味にチューニングされている。 visual studiomicrosoft office が 2005 とか 2007 とかでも特に問題ないとか、ハードウェアのスペックも一昔前のもので問題ないとか、フォトショなんてCS2で十分だよねとか(互換性の問題くらいだわな昔のファイルが読めないとか新しいと読めないとか)、そういう世界と3DCGの世界はまるで違う。

3DCGソフトやゲームエンジンやその開発環境は常に最新のPCでなんとか動くようにチューニングされアップデートされている。 生モノなのである。 仮に2006年の古いゲームエンジンを使ったとしても、がんがんMod作ったりすると、素人にはリソースの管理とか最適化なんてできないわけだから、オーバースペックのModなんてすぐにできてしまう。 原因不明のエラーを起こしたり起動してもフリーズしたりするのはリソース不足だからだが、 OSが安定したりメモリ容量が増えたり、グラボがおりこうさんになったり、開発環境が洗練されてくると自然に解決してしまうのである。

いまや操作する人間のスペックよりもPCのスペックの方がはるかに高くなってしまったのにどうしてPCを買い替えたりスペックを上げたりする必要があるかわからん、などという人もいる。まあそりゃそうで、テトリスパックマンなんて携帯アプリのグラフィックや性能で十分楽しめるのであり、そういう人はネットブックくらいの性能があれば十分、いまさらデスクトップ機でクロック上げとかあほかと思うのだろう。 言いたいことはよくわかる。 液体窒素とか使ってるやつらの気持ちは私にもわからん。 そんなにスペック必要ならさっさとクラウド借りろやと思う。 PCそのものを恋愛対象にしてしまっている人の気持ちはわからんしわかる気もない。

我々が作っているのは携帯アプリではない。ゲームエンジンSDKでMod作っている人には常識でも、一般人にはわからんのである。

で、ずっと講義科目は苦手意識があったのだが、 実はやりようさえつかめば演習科目よりも講義科目の方が楽なのではないかと思えてきた。演習科目のためにものすごいネタ仕込みをやるようになり、同じネタ仕込みをやるなら、本番でただしゃべってればいい講義科目のほうが、実は楽なのではないかと。 錯覚かもしれんが。

海外ではインディーズ制作や同人活動というのがゲーム業界への就職に直接結びついている感がある。 自分の作品を同人マーケットで販売したり、 元手がたまるか出資者がみつかるかしたらインディーズの会社立ち上げて、 さらに実績を残せばヘッドハンティングされるか会社ごと買収してもらえる、という。

しかし日本ではそんな話は全く聞かない。 大学のカリキュラムや卒業制作とはまったく別個に学生個人の同人活動が行われるのがふつうだ。 なんでこんな非効率的なのだろう、もう少しうまくリンクすることはできないのだろうか、と思う。 私が大学に進学したときはそもそもCGを教えるような学科は存在しなかった。今ならいくらでもあるが。 しょうがないから工学部の電気電子工学科というところに入ったのだ。 電気の勉強をしながらPCをいじったりCG作ったり。 そのときと同じで学生のニーズと大学のカリキュラムがマッチしてないだけではないのかと、思わざるを得ない。