CG、Webの面白さ
世の中の人の多くは、コーディングはコーディング、グラフィックはグラフィックと分けて考える。 絵を描く人は絵を描くのが好きだから絵を描くし、 プログラミングするひとはプログラミングが好きだからプログラムを書く。
しかしCGが好きな人というのは、全部がではないが、 コーディング(という絵のない世界)の結果がCG(という映像の世界)に影響を及ぼし、 CGをよりよくするためにはコーディングを工夫しなければならない、というところに快感を覚えるのだ。 絵だけ、コーディングだけ、それぞれ単独で好きなのではない。
よけいにややこしいのは、 映像が好きな人は映像のがわからCGに接近しようとし、 どちらかと言えばプログラミングが好きな人はプログラミング側から接近しようとする。 しかし、両方から接近すればするほどに、 その境界には深い崖っぷちが存在していて、容易に越すことはできない。 Javascript が得意な人がいるとする。 Actionscript が得意な人がいるとする。 両者は似たようなものだが、 Actionscript が得意にな人に Javascript のコーディングを教えるのは極めて困難だし、 Javascript が得意な人が actionscript の GUIプログラミングになじむのは往々にして不可能だ。 境界部分を長年うろうろしているとそれに気付かされる。
CGが好きな人は、自分以外の人も、そこが好きなのだろうと考えがちだが、実は世間一般はまったく違う。 絵が好きなひとは絵が描きたいだけであり、コーディングは必要に迫られて覚えるのであり、 逆に、コーディングが好きな人はその応用として絵を描く。 コードを書くと絵が描けて面白いね、ということは、教えることはできない。 個人の感覚の世界だから。 そこが面白いと感じるのはおそらく感性だからだ。
CGをやりたいという人がなぜCGをやりたがるのか、私はずっと不思議だったのだが、 多くの場合はCGっぽい映像が好きなのだ。 映像を作りたいというのと、CGをやりたいというのはかなり距離があるように思う。
Webも実はそうで、Webがやりたいという人は、自分が好きなWebページがあって、 自分もそれを作りたいと思うからだ。 Javascript や php や mysql が好きだからではない。 逆に、 Javascript や php や mysql が好きな人は必ずしも良い Webページを作れるわけではない。 その二つの連携に快感を覚えるのは人それぞれの感性の問題であって、教えるのは困難だ。