詠石榴詩
王安石の作とされる「詠石榴詩」
万緑叢中紅一点
動人春色不須多
というものがある。一面の緑の中に赤い花がぽつんと一つある。 人を感動させる春色はたくさんあれば良いというわけではない。 そういう意味だ。
以前から、これが七言絶句の一部だったら、と思っていた。 二句だけが後世に伝わり、残りの二句は忘れられたのだと。 元の絶句はどんなだったろうか、と。 平仄は「●●○○○●●」「●○○●●○○」なので、反法になっていて、続けるなら起承か転結となる。 起転か承結にすることもできる。 句の順番を入れ替えても良いだろう。
だがまあ、転結だと考えるのが普通だ罠。 あとは適当に自分の趣味で平仄と押韻のあうように考えればよろしい。 パズル問題のようなものだ。
で出来たのがこれ。
天山固有石榴樹
采果伝来騎駱駝
万緑叢中紅一点
動人春色不須多
天山もとよりザクロ樹あり。果を采り、ラクダに騎して伝来す。 ザクロの原産地は天山山脈辺りだと言われているが、その実を採取して駱駝に載せて中国に伝来した、 というような意味。後半部分の前振りとして使ってみた。 「駝」と「多」が押韻。 「榴」は孤平だが、七言の六字目なのでさほど気にしなくて良いだろう。 起句も押韻したかったが諦めた。