2次元,または3次元以上のデータ配列は,コンピュータなどによって逐次的に取り扱うために,しばしば1次元のデータ列に変換される. 変換された1次元の列には,従来から盛んに用いられてきた信号処理の手法を直接用いることができる. また,多次元のデータ配列を伝送するには,多くの場合,データはひとたびなんらかの時系列に変換されて,伝送されたのちに再び多次元のデータ配列に変換される. 画像を処理する場合には,この変換は特に走査と呼ばれ,ほとんどの場合,左から右,さらにそれを縦方向に繰り返すラスタ走査と呼ばれる方法が用いられる. しかし,コンピュータに十分なメモリ容量があり,画像データをフレーム・バッファに一度に読み込むことができる場合には,走査は必ずしもラスタ的である必要はなく,目的に即した別の走査を用いることができる.