メッシュ変形とプロジェクションマッピング
ディリゲントという会社からプロジェクションマッピングの実演に来てもらったのだが、 なかなか興味深かった。 ArKaosというベルギーの会社が開発しているソフトらしいのだが、どんな人が作っているかまではよくわからない。 やはりVJ屋さんで、自分が作ったものを人にも売っているのらしい。
三次元物体の表面にテクスチャを貼り付けるわけだから、 要するに究極にはUV展開と同じことをやるわけである。 UV展開もまあ非常に複雑でめんどくさいが、 プロジェクターを1台ないし数台使ってキャリブレーションとかして、 プロジェクションマッピングやるのもかなりのめんどくささではある。
3Dのデータを読み込んで自動的にプロジェクションマッピングしてくれるソフトもすでにあるというのだが、まあようは、プロジェクタのキャリブレーションさえやればそういうことも不可能ではなかろうが、 カメラのキャリブレーションというのは私も昔はコンピュータビジョン屋さんやってたから知っているがめんどくさいものであって、プロジェクタの場合も同じであって、 今更もう実世界でそんなことやりたくないというのが本音ではある。
そんでまあ、 世の中ではプロジェクションマッピングというものがもてはやされているのだが、 普通は大したことはやってない。 今回紹介してもらったGrandVJのvideomapperのような専用ソフトを使ってすらいない。 そもそもマッピングしてなくてただ投影してるだけの場合が多く、 そうでなくとも、現状では、 画像分割してマスクかけてメッシュ変形しているだけなわけである。
でもまあそれは技術的な話であって プロジェクションマッピング好きなひとはやればよいと思う。 私がおもしろいなと思ったのは、メッシュ変形というやつで、 これは CG屋さんもときどき使うわざだ。 たとえば上の例では2Dの絵を微妙に変形させてうつむき加減にしてみた例である。 変形が少なければかなり自然に表現できる。 Live2Dなんかがそういう技を使っている。
メッシュ変形というのも、テクスチャマッピング的に使われるわけで、 たとえば写真に移った円柱に文字を合成したいときに、 円柱面に沿って文字を変形させたりすると自然にみえる。
上の例は clip studio paint でメッシュ変形というが、 下のように gimp にも「ケージ変形」というのがあって(小顔にしてみている)、 おそらく今時の After Effects にはメッシュ変形とかケージ変形くらいはあるはずで、 そういうのを手作業でやってプロジェクションマッピングしている人もいるようである。
こんなふうにフォトレタッチ的に使って遊んでみるのも楽しいのだが、 数学的にはありふれた、たわいのない補間方法である、ともいえる。 私の場合、小説書いてそれに挿絵を書くのが好きだからやってる、ともいえる。 フォトレタッチも小説書いてその表紙の絵とか写真とか加工する必要があって、 少しはまった。 たぶん小説書かなけりゃ、そんなにやる気はおきなかったと思う。