立方体変形かイラスト起こしか

最近のキャラクターモデリングはこちら 1 2 のように、2Dのイラストに合わせて頂点を打って面を張っていき、 そのまま視点からの投影でテクスチャを貼り付けているのが主流のようだ。 もともとはメタセコイヤあたりから生まれた文化ではないかと思うが、 blender でも割と簡単に(ctrl 左クリックで)頂点を追加できて、 さらに Fキーで面が張れるから、 似たようなことはすぐにできてしまう。 日本発祥のテクニックではなかろうかと思うが、海外の動画でもみかけるので、 正確なところはわからない。

昔の人はみんなキャラクターモデリングは立方体から始めた。 こういうのをボトムアップというらしい。 逆に面張りから作っていくのをトップダウンとかいうらしい。

一個の立方体から作って行く方がトップダウンな気がするのだが、 まあどうでもいい。

どちらが良いとはいいがたいが今の若い人は先にイラスト描いてそれをなぞるように3D起こしするほうが好きらしくて、 一度そのやり方に慣れてしまうとそれ以外の方法では作れなくなってしまうのではなかろうか。 私が面張りはやりたくないように。

一体だけ思い入れを込めて作るのであればイラスト起こしでもよいのだろうが、 私の場合キャラクターモデルは何体も使い回すし、着せ替えしたり顔書き換えたり、 髪の毛差し替えたりするから、 まずニュートラルな(服を着てない)モデルを作っておき、ボーンを挿しておき、 それに服を着せたりする。 つまりモデリングを始めるときには服もなければ顔も髪もイメージにはない。 別に裸体や水着姿を作りたいから作るのではなく、 後でいろんな服を着せたいから最初に作るものには服を着せないだけだ。

目や口や鼻、胸やおなかなどに合わせてループ状に面張りをしたほうが良いという考え方もあれば、 そういうのは無関係に格子状に規則的に縦横に面は張ればよいという考え方もある。

立方体から始めるというやり方は明らかに直感的ではない。 頭の中でいきなり3Dの形を作り始めるというのは普通の人には難しい。

イラスト起こしは極めて2D寄りなアプローチであってかつわかりやすい。 初心者はどうしてもそちらに流れると思う。 最近の書籍は最初からイラストありきで説明してある。 だいたいは美少女のイラスト。 それに3Dの「厚み」をつければそれでいい、テクスチャは2Dのやつがそのまま張れるのがよい、 どうしてもそういうことになってしまう。 これはアニメは背景は3Dでもキャラは手書きで2Dでなきゃいけないみたいな考え方と通じていて、 文化の問題だからどうにもしようがない。

2Dと3Dの間には深くて越えられない間隙がある。 なんぴともイラストレーター(2D係)とモデラー(3D係)を兼ねることはできない。 イラストレーターが描くパースの狂った不可能なイラストからむりやり3Dをおこすのがモデラーの仕事である。 モデラーがいきなりキャラを作っても往々にして味気ないものにしかならない。 これは人間の脳の問題だから、どうしようもない。