母在森

ふと、日本人が作ったと思われる漢詩 が気になったのだが、 難しくないから読めばわかると思うがお寺さん関係の詩である。 中国語の文法的にも特に問題はないように思われる。「旅立」というのは「旅立ちの里」という施設名を詠み込んでいるのだから漢語的にはどうかと思うが許容範囲だと思うし、 「母在森」を「母在(い)ます森」と訓読させていたりして面白い。 たぶんそれなりに漢詩や中国語の勉強をした人だと思う。 平仄はやや乱調かと思うが、ちゃんと押韻しているし、全体としてうまくまとまっているからこれはこれでありだと思った。 おそらく仏教系の大学や学部ではきちんと中国語や漢詩を学ぶのではなかろうか。

法事でお経を聞いていると、漢文あり、和讃あり、鳴り物ありでなかなか面白い。 まじめなところでは漢文素読、ややくだけて和讃、たまにドラや木魚やパフォーマンスで盛り上げる。 特に楽曲と合わせた和讃などはまるで平曲、つまり平家物語の弾き語りのようだが、鎌倉仏教の起源と平家物語の成立はだいたい同じなわけだから、 今でいえばアメリカのゴスペルみたいなもんなのだろうなあと。 こういうのも仏教系の大学に行けばきちんと基礎から学べて面白いのだろうなと思った。