Cycler

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こないだのオープンキャンパスでCyclerという学生作品を展示したのだが、思いの外、好評だった。 Farseerという2D物理エンジンを使っているのだが、 物体にはforceとtorqueの二種類の力をかけることができる。 普通のゲームではforceが使われるがこのCyclerではtorqueしか使ってない。

というか、展示するに当たって入力デバイスxbox 360 controllerにして、 左右のアナログスティックで操作するように作りかえたのだが、 そのときはいろいろforceやらtorqueやらが使われていたのをtorqueだけにしてみたわけです。 右スティックはペダルにtorqueを加える。つまりペダルをこぐ。 左スティックは体にtorqueを加える。つまり体重を前にかけたり後ろにかけたりする。 右スティックでペダルを前にこぐと体が前に傾いてくるので左スティックで後ろに体重をかける、 というのが基本なのだが、下の鎖の傾きとか体へのトルクのかけ具合によっては体が後ろに傾くこともある。 そのへんを左右のスティックで微妙にコントロールしないといけない。 コツがわかってくるとだんだんうまく安定して自転車を走らせることができるようになっていく。 逆に焦れば焦るほど体がコロコロ転がって前に進めない。

これが案外おもしろい。 というか今までこういう操作系のゲームというのはなかったよなあと思ったりした。

左右のスティックを使うゲームの始まりは「クレージークライマー」だと思う。 左右交互にスティックを動かすことで手足を操作してビルを登っていく。 もしかすると「Battle Zone」の方が早いかな。あれは戦車の左右のキャタピラを独立して操作してたよな。 この手のタイプのゲームは割と多い。

FPSでは、右スティックで視点移動、左スティックで位置移動というのが多い。 だから、FPSに慣れている人は割とこの左右アナログスティックを連携して使うというのに慣れている。 でも普通の人にはあまりなじみがない。 左右のスティックを絶妙にコントロールするというのはたぶん小脳とか延髄を働かせなくてはダメ。 ブルース・リー風に言えば「Don't think. Feel!」というやつで、 そこが操作の気持ちよさと習熟による達成感につながるのだと思う。 などと考えてみた。

音ゲー風にアレンジするとおもしろいかもしれんな。 一定速度で走っているときには音楽も安定して流れる。 もたつくと音楽も乱れる、みたいな。